鈴木厚「日本の医療に未来はあるか」ちくま新書(2003年) ISBN:4480061088

 医療機関の側から「医療改革」を断じた本。医療費の削減は改悪に他ならず、医療報酬を上げてこそ日本の医療は改善する、としている。医療費の合計が公共事業費の半額にも及ばないと言うのは知らなかった。
 保険審査機関や製薬会社に問題がありそうなことはよくわかった。とはいえ多発する医療事故の原因を医療費の安さに押しつけるのはいかがなものか。いずれにせよ、「医療」のあり方を根本的に議論する時期に来ているのは間違いないようだ。