2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

生島淳「世紀の誤審」光文社新書(2004年) ISBN:4334032591

オリンピックや世界選手権などの大舞台で実際にあった「誤審」を多数紹介し、それらがなぜ生じてしまったのか、今後それらをなくしていくにはどうしたよいのかを分析している。人間のやることであるから誤りを完全になくすことは難しいだろう。機械類による…

藤原明「日本の偽書」文春新書(2004年) ISBN:4166603795

「記紀以前に作られた」とする様々な偽書を読み解き、それらが作られた背景と思想、今日に及ぼす悪影響などを分析している。近代になって台頭した「国家主義」思想が、そうした偽書の登場を求めていたことがよく分かった。偽書は偽書として無視してしまえば…

たけだみりこ「クッキング カンタンタン」永岡書店(2005年) ISBN:4522422806

「セイシュンの食卓」(←懐かしいなぁ)の著者による、アイデア満載の簡単お手軽な料理本。料理に自信がなくても、身近な食材・調味料などを利用し、さほど手をかけずに多種多様な料理を作ることができそうな気分になってくる。 導入となるマンガも切れ味鋭…

藤田久一「戦争犯罪とは何か」岩波新書(1995年) ISBN:400430380X

近代以降、戦争における「違法性」の問題を多角的な視点から捉えた一冊。戦闘での行為に違法性の網をかぶせる試みから平和に対する罪へと、いかなる理論付けにより発展してきたか。そしてその罪を償う主体は国家なのか個人なのか。様々な問題を内包しつつも…

藤森照信「人類と建築の歴史」ちくまプリマー新書(2005年) ISBN:4480687122

文明の発祥から今日に至る建築物の歴史を、社会構造や生活形態などと合わせ時系列的に解説した本。文明・文化の獲得により巣穴は「住居」として作られるようになり、さらには生活に関わりのない「神」を崇めるための施設が建てられるようになった過程がよく…

福原直樹「黒いスイス」新潮新書(2001年) ISBN:4106100592

特派員として6年間滞在した著者が明らかにする、知られざるスイスの「素顔」。永世中立を守り続け、白銀のアルプスに象徴される観光立国といった美しいイメージの一方で、人種・民族に関する思想やマネーロンダリングなどに関わる負の側面もあるという。ど…

中野晴行「そうだったのか手塚治虫」祥伝社新書(2005年) ISBN:439611009X

20世紀後半の漫画・アニメ史に燦然と輝く手塚治虫の作品たち。代表作品を時系列的にたどり、各作品が描かれた時代/社会の背景から手塚氏が伝えたかったことの本質を探り出そうとする一冊である。読み進むうちに、手塚氏は生きることの意義や幸福とは何かで…

有田芳生「『コメント力』を鍛える」生活人新書(2002年) ISBN:4140880473

文筆業の傍らテレビ番組で多方面の話題にコメントをしている著者が、その「コメンテーター」としての心構えと現場の実態を明らかにしている。徹底した取材・調査を重ねてこそ的確なコメントができるという姿勢には共感できた。また、問題解決に向けてのもの…

岩崎日出俊「サバイバルとしての金融」祥伝社新書(2005年) ISBN:4396110081

株価は本来どのようにして決まるのかという投資の基本から始まって、企業価値を極大化するためにはどうしたらよいのか、M&Aをどう考えたらよいのか等々、今の経済を読み解く基礎知識を授けてくれる本。「キャッシュフローを元に算出される企業価値に注目…

柴田鉄治「科学事件」岩波新書(2000年) ISBN:4004306639

臓器移植や公害病、原発事故など7つの科学事件を題材に、科学と社会の関わり合いを描き出している。行政や企業、学会が発する情報は必ずしも国民本位の流れになっていない。それを仲介する報道の役割を著者は重視しており、今後とも積極的に関わっていくべ…

野田隆「ヨーロッパ鉄道旅行の魅力」平凡社新書(2003年) ISBN:4582851738

ヨーロッパを縦横に走る鉄道。著者のお薦め路線を実際の乗車体験に基づいて、看板列車からローカル線まで紹介している。車窓や車内設備、乗客や乗務員の様子など、読むだけでも机上旅行を楽しむことができた。 定時運行が常識ではないという覚悟を決めさえす…

渡辺敬一郎「強すぎた名馬たち」講談社α新書(2004年) ISBN:4062722402

レース中、あるいはレース直後に死を迎えてしまった競走馬。著者の記憶に残る8頭の軌跡を関係者の証言から鮮やかに浮かび上がらせている。キーストンと山本騎手の事故は(競馬ファンの間では)よく知られた話だが、重傷を負いながらも騎手を気遣った馬の健…