一億総うつ社会/片田珠美

一億総うつ社会 (ちくま新書)

一億総うつ社会 (ちくま新書)

増えるばかりのウツ患者。「治療薬の拡販」「診断基準の切り替え」という増加の背景を踏まえつつ、著者はフロイトの学説を元に「新型うつ」を読み解いている。自己愛の肥大化――他責感の強大化を招来した社会的構造変化への指摘は明解でわかりやすい。
書名である「一億総うつ社会」は既に現実だ。ただ、それを受け入れるだけの余力は我が国社会には存在しない。この先どうなっていくのだろうか。