2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

広瀬弘忠「無防備な日本人」ちくま新書(2006年) ISBN:4480062831

テロ、自然災害、新型流行病…等々、多種多様な危険に取り囲まれている私たち。著者は多数の事例から日本人のリスク意識や対応能力を検証し、リスクを如何に知り、どのように対処すべきかを提案している。「リスクとうまくつき合うためにはリスクに対する恐怖…

植村峻「贋札の世界史」生活人新書(2004年) ISBN:4140881119

紙幣の誕生、それは贋札の誕生でもあった。中国、イギリス、アメリカなどにおける贋札づくりの歴史を振り返り、今日の贋札防止技術へとつながっていることを明らかにしている。今なお(時々だが)旧札も流通しているが、見比べてみると「なるほど」と思わさ…

築山節「フリーズする脳」生活人新書(2005年) ISBN:4140881631

悪い生活習慣の積み重ねや脳の偏った使い方により高次脳機能が低下してしまい、的確な判断が下せなくなる……著者はこれをパソコンの『フリーズ』になぞらえ、ボケ症状の入り口段階であると警告する。本書ではフリーズしてしまった様々な事例・症例とその対応…

遠藤秀紀「人体 失敗の進化史」光文社新書(2006年) ISBN:433403358X

動物5億年の進化の過程は「設計変更」の連続であった……ヒトと動物の身体の歴史をたどり、骨格や臓器、感覚器、手足、脳などがどのように進化を遂げてきたかを述べている。適者生存とは言うが、結果的に当初の役割が損なわれて全く別の機能を持つようになっ…

原田多加司「職人暮らし」ちくま新書(2005年) ISBN:4480062599

現役檜皮葺職人の親方である著者が自ら語る『職人』の日常。普段の生活、技術の取得と承継、後進の育成、意識のありようなどが忌憚なく語り尽くされている。「頑固一徹」などというステレオタイプの職人像は必ずしも実態を現してはいないようだ。分業化が進…

養老孟司「まともな人」中公新書(2003年) ISBN:4121017196

著者による時評随筆。今作は2001年から2003年にかけてのものがまとめられている。この時期といえば「9・11」であり、本書全体を通じてこの事件をどう考えるべきなのかが問いかけられているようだ。

齋藤滋「よく噛んで食べる」生活人新書(2005年) ISBN:4140881569

著者によれば、よく噛んで食べることにより、肥満や視力低下、脳の老化など各種障害の防止に効果期待できる。ストレス対抗力もつけることができるという。さらに唾液の効能にも触れ、噛むことが如何に心身の健康作りに寄与するかを縷々述べている。そのため…

山元大輔「心と遺伝子」中公新書ラクレ(2006年) ISBN:4121502132

浮気、食欲、母性愛、睡眠、同性愛など身近(?)な心理と行動の裏側に潜む遺伝子の影響を、動物実験などの知見から明らかにしている。「愛」とはヒト固有の高度な精神的事象だと思っていたが、その原理的部分は進化の過程で体得してきたものなのだろう。と…

田島正樹「読む哲学事典」講談社現代新書(2006年) ISBN:4061498398

愛と暴力、運と偶然、知識と信念など対立する概念を取り上げて、それぞれの連関を浮き彫りにしようとした一冊。そもそも「事典」は「読む」ものなのか、という議論もしたくなるが、悲しきことに形而上学的思考能力の乏しいワタクシには無謀な挑戦になりそう…

最相葉月「いのち」文春新書(2005年) ISBN:4166604740

クローン羊「ドリー」の誕生が大きく報じられてから9年。生命科学は如何なる道をたどり、この先どこへ歩もうとしているのか、そしてその倫理的指針はどうなっているのか。著者と哲学者・発生生物学者・遺伝病患者支援者・宗教学者など12人との対話により、…