山元大輔「心と遺伝子」中公新書ラクレ(2006年) ISBN:4121502132

 浮気、食欲、母性愛、睡眠、同性愛など身近(?)な心理と行動の裏側に潜む遺伝子の影響を、動物実験などの知見から明らかにしている。「愛」とはヒト固有の高度な精神的事象だと思っていたが、その原理的部分は進化の過程で体得してきたものなのだろう。とはいえ、それらの全てが遺伝子の中に用意されたものだとは考えたくないが…。
 著者の研究は『行動分子遺伝学』という分野だそうで。こういう分野が今後はさらに注目されていくのだろうか。