2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧
著者によれば、日本の歴史には奈良時代から江戸時代を通じて、マックス・ウェーバーが近代経済の革新的な原動力であるとした「資本主義の精神」が脈々と流れているという。仏教の先導者の思想と西洋の近代経済学とを連動させるという著者の考えは論理的で明…
サッカーの国際試合などで、無邪気かつ熱狂的に「ニッポン」を応援する人々が氾濫している。批判精神も自己の相対化もなく流されていく姿を著者は「ぷちナショナリズム」と呼び、やがて本格的なナショナリズムに傾いていくことに対し危機感を抱いている。ま…
地球内部の構造に関する最新の研究成果をわかりやすくまとめるとともに、地球深部探査船「ちきゅう」による調査計画と、それが何をもたらすかを解説した本。この分野では日本が世界の先駆的存在であることを初めて知りました。 宇宙よりも足元の地球。ニッポ…
1994年に退社するまで34年間日本航空で航空事故対応に携わってきた著者による、安全管理への提言書。平時における危機管理体制の確立や、ことが起こった時の対応方法など、航空業界に限らず様々な分野・場面で役立つ示唆に富んでいる。 本書の刊行後も、日本…
ややもすると敬遠されがちな古典文学だが、ちょっとした視点の変化で誰もが楽しめるものになる……そのための9つの方法を紹介した新しい古典入門書。能や狂言から近づいたり、食べ物に注目したり、ドラマ化の配役を考えるなど、古典文学を身近にする具体的な…
新聞や官公庁の行う社会調査には嘘やまやかしがたくさんある、と指摘する著者による「社会調査」の読み解き方指南書である。調査対象の偏りや質問内容・選択肢による誘導など調査そのものの欠陥、データの解釈や報告手法による曲解など、客観性のあるように…
限りある水資源を守っていくために、雨水をそのまま下水に放流するのではなく少しでも活用していこうとする雨水リサイクルの思想は重要である。本書では様々な実践例や改善すべき制度・問題点などを取り上げて、雨を活かして自然と共存していく街作りを勧め…
日本語を正しく美しく使いこなすためのノウハウが満載された本。類義語の使い分けと語感の違い、敬語や手紙の作法、文意を曖昧にしないための表現法等々、知っているとより確実に意思疎通が図れるようになる。また、日本の気候風土とそれを表現した詩歌など…
今から5億年前、古生代前期の海には多種多様な生物が生息していた。カナダ・バージェス頁岩での発掘を契機に発見された多数の化石から、奇っ怪な生物たちの生態を想像復元したり、現在地球に生息している生物との関わりを説いている。
インターネットで出題された400問の国語力常識テストを採録したもの。頁をめくるとすぐに解答があり、正解率も載っているので、余裕のある時間に随時読み進むことができる。読み書き、和歌や慣用句の穴埋め等々、知っているようで知らない日本語の奥深さと自…
バブル崩壊後も建築基準法などが緩和されて超高層ビルの建設が促進されたことにより、住民の生活基盤が破壊されていく様子を詳細に追っている。政官財の癒着構造がもたらす行政の無計画さに憤りを感じるとともに、土地所有者を適切に律することのできない市…
頭がよいとは知能が高いことと同義ではない。著者は様々なクイズを題材に、思考の多様性・柔軟性こそが重要だと説いている。多湖輝「頭の体操」に苦悩した日々のことが懐かしく思い出された。 「知能年齢÷実年齢×100」で求められる知能指数だが、15歳以上だ…
北から南まで17の町を訪れ、古き良きニッポンとの出会いを綴った見聞録。その町のたたずまいから歴史と伝統、そこに暮らす人々の息づかいまでが感じられる文章で、読者も机上旅行を楽しめる。私の場合、鉄道の通わぬ地にはなかなか足が向かなかったが、開発…
歴史上人々の交流が深まるにつれて、疫病の流行域が拡大したり、風土病に遠隔地で感染したりすることが急増した。また、長期の船旅で壊血病などにかかることもあった。こうした疾病に対し、「旅行医学」=海外旅行者のための医学が発達したという。今日では…