濱田篤郎「旅と病の三千年史」文春新書(2002年) ISBN:4166602837

 歴史上人々の交流が深まるにつれて、疫病の流行域が拡大したり、風土病に遠隔地で感染したりすることが急増した。また、長期の船旅で壊血病などにかかることもあった。こうした疾病に対し、「旅行医学」=海外旅行者のための医学が発達したという。今日では航空機の利用により移動速度が上がり、また往来の規模も比較にならないほど増大している。しかし情報の伝達速度や流通量も負けずに向上しており、個人や行政の対応によって被害を防ぐことが可能な状況となっているようだ。
 エコノミー症候群にならぬよう、ビジネスシートでの旅を一度はしてみたいものだが……。