池内紀「ニッポン発見記」講談社現代新書(2004年) ISBN:4061497200

 北から南まで17の町を訪れ、古き良きニッポンとの出会いを綴った見聞録。その町のたたずまいから歴史と伝統、そこに暮らす人々の息づかいまでが感じられる文章で、読者も机上旅行を楽しめる。私の場合、鉄道の通わぬ地にはなかなか足が向かなかったが、開発と利便の陰で失いつつある何かを探す旅に出るのも悪くないと思う。