2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

織田淳太郎「コーチ論」光文社新書(2002年) ISBN:4334031757

スポーツ選手の記録・成績向上に寄与するコーチ。しかしコーチの誤った適切でない指導により可能性を失った選手も数知れないという。本書は主に指導の成功事例を元に、あるべき姿を模索している。「名選手、名監督ならず」とはよく言われるが、コーチも同様…

原田泰「デフレはなぜ怖いのか」文春新書(2004年) ISBN:4166604074

相変わらず続く経済状況の低迷はデフレがもたらしたものであり、そのデフレの元凶は構造的なものではなくマネーサプライの縮小にある……。デフレの仕組みと対処法について、経済理論と過去の分析をもとに明快に解き明かしてくれる本。著者によれば、デフレの…

養老孟司「無思想の発見」ちくま新書(2005年) ISBN:4480062807

概念世界と感覚世界、思想と現実、その両者のつながりが言葉である。日本の歴史と風土によって産み出された「無思想」という思想があることを前提に、身近な個人の問題から国家間の歴史認識のズレまでを如何に考えていくべきかを思索し、それらは般若心経の…

小川裕夫編著「日本全国路面電車の旅」平凡社新書(2005年) ISBN:4582852750

かつては「自動車運行の妨げになる」として撤去され続けてきた路面電車。しかし今、環境に与える負荷が小さくバリアフリーにも貢献するとして見直しの気運が高まっている。各地で新型車の投入が行われたり、路線の延長・新設も検討されているという。札幌か…

リリー・フランキー「東京タワー」扶桑社(2005年) ISBN:4594049664

多芸多才な著者の自伝的小説。訳あって母子家庭同然の暮らしをした少年時代、そして一人暮らしをはじめた高校生以降も、「ボク」は常に「オカン」の有形無形の庇護の下にいた。そこに一定の距離を置きつつ時折絡む「オトン」。不器用で一風変わっているけれ…

広瀬立成「空海とアインシュタイン」PHP新書(2006年) ISBN:4569647820

真言密教を確立した空海と相対性理論を打ち立てたアインシュタイン。二人が21世紀の世界を見たらどんな対話をするだろうか。両者の生涯をたどり、科学と宗教双方の世界観・宇宙観を融合させ、消費社会の弊害を乗り越えたあるべき社会の姿を描き出そうとした…

岩井保「旬の魚はなぜうまい」岩波新書(2002年) ISBN:4004308054

日本人の食生活に馴染みのある魚類を題材に、体組織・回遊の仕組み・口と消化器の構造・生殖等、身体的特徴から生態まで広汎な知識をわかりやすく解説している。食卓に上る魚たちの意外な生態に驚かされると共に、「旬」を見極めてちょうど食べ頃に捕獲して…

大江秀房「科学史から消された女性たち」講談社ブルーバックス(2005年) ISBN:4062575027

ノーベル賞受賞に匹敵する研究業績を上げながら、惜しくもそれを逃した女性研究者たち。性差という壁に妨げられつつも一途に研究・実験・理論構築に邁進し、ものごとの心理を究明しようとした彼女たちの姿は立派なものであったという。 そんな伝記的記述ばか…

長山靖生「『人間嫌い』の言い分」光文社新書(2004年) ISBN:4334032737

「人間嫌い」とはいささか刺激的な題名だが、要は自己の信念をしっかり持って周囲に迎合せず、確固たる生き方をする人のことであると著者はいう。そして、集団内の人間関係に依存し安住してしまう「つるみ系」が世に跋扈しているのを憂い嘆いている。友達づ…

高橋呉郎「週刊誌風雲録」文春新書(2006年) ISBN:4166604864

第二次世界大戦後に勃興した日本の週刊誌。日刊新聞と月刊雑誌の狭間を埋めるように生まれた週刊誌は、その黎明期には新聞社系が、そして次第に出版社系が市場の上位を占めるようになってきた。編集者と執筆者たちの苦悶と活躍を活写し、各紙の栄枯盛衰の道…