高橋呉郎「週刊誌風雲録」文春新書(2006年) ISBN:4166604864

 第二次世界大戦後に勃興した日本の週刊誌。日刊新聞と月刊雑誌の狭間を埋めるように生まれた週刊誌は、その黎明期には新聞社系が、そして次第に出版社系が市場の上位を占めるようになってきた。編集者と執筆者たちの苦悶と活躍を活写し、各紙の栄枯盛衰の道を辿った一冊である。
 今日でこそゴシップだらけで悪趣味な某誌が創刊時には高邁な理想を掲げていたことなど、当の雑誌の現役編集者は果たして知っているのだろうか。「売れればいい」「読者はこの程度の記事を求めているのだ」そんな思いなのでしょうなぁ。