2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧
同じ五七五の十七音からなる「俳句」と「川柳」。その違いを成り立ちから説明し、それぞれのあるべき姿までを提示している。そうした理論に加え、多数の実例をもとに鑑賞の仕方までを教えてくれる。「季語のあるなし」「滑稽さ」により区分されるのではなく…
都市とは「カミサマの住むところ」と定義づけた著者が、記紀の時代から現代へ、吉備の海から平城京、旭川まで、時代と空間をまたいで「都市」の実相を探り当てている。著者の自由自在な視点に導かれるうちに、いつしか読者も「都市」の本質を感じ取ることが…
幕末・明治初期に引き起こされた数多くのテロ事件。都内に残された墓碑や慰霊塔などの痕跡をたどり、大きな変革点だった時代を生きた人々の思いを描いている。掃苔録には地番が明示されており、読者は自らの目と足で現場を確かめることができる。 百数十年前…
科学にまつわる面白随筆集。「理科」レベルの小ネタから最先端のハイテクまで、著者の博識が伺われる。 例によって西原理恵子さんの挿絵が絶妙で楽しませてくれた。
中学・高校で教えられる「国文法」の様々な誤りとその改善点を述べ、文法を正しく理解するよう導いている。「文節」「主語」の定義が曖昧だ、という指摘は的を射ている。また、国文法における様々な定義・分類が何のために必要なのかを改めて知ることができ…
中世から現代に至るまで『芸術の都』として輝き続けるウィーンを彩ってきた人々。著者は「よそもの」がこの街の文化を創り上げてきたと指摘している。まぁ、日本の「文化」も諸外国から取り入れてきたものがたくさんあるのだから驚くにも値しないが....。
関係者の証言を元に、15本の法律制定・改正に至る背景を明らかにしている。新聞連載の再編集物に付きものの流れの悪さはやむを得ない。法律に対する『読売新聞』的評価については気にしないように努めた。 こうした本を読むにつけ、政治家の志の低さを感じて…
週刊誌に連載を続けている「赤マント」シリーズの1冊。毎週毎週の行動力・思考力・文章力に感服する。沢野ひとし画伯のイラストも冴えている。
睡眠の専門医である著者が眠りにまつわるあれこれについて一問一答形式で教えてくれる本。その範囲は夢やおねしょ、睡眠薬から睡眠時無呼吸症候群に至るまでを網羅している。 快適な睡眠こそが明日の活力。ワタクシもこんな戯れ言を書いているより寝ることに…
地名の語源と人々の関わりについて、古典などを繙きつつ論じている。 身近な地名が安易に改変されていくのはとても残念である。市町村合併に伴い増加を続ける「大森+蒲田=大田」の如き合成地名や、これまでの地名と全く無関係な「美○」の類は勘弁願いたい…
一昨年初めにマスコミを騒がせた「クローン人間誕生」。本書ではヒトクローン技術が子孫を残すためばかりでなく、治療目的のセラピューティック・クローンにも使われる可能性があること、そしてそちらの方がより倫理的に問題であることを指摘している。 「自…
年々巧妙化していく中国製のニセモノ商品。本書では豊富な事例を元に、権利侵害の実態から模造技術向上の背景までを明らかにしている。 時折大型安売り店舗でこうしたニセモノ商品を見かけるが、「安いから」と言うだけでこうした模造品を買う愚だけは避けた…
医療機関の側から「医療改革」を断じた本。医療費の削減は改悪に他ならず、医療報酬を上げてこそ日本の医療は改善する、としている。医療費の合計が公共事業費の半額にも及ばないと言うのは知らなかった。 保険審査機関や製薬会社に問題がありそうなことはよ…