2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧
がん治療最前線で働く著者。健康保険制度のために効果的な治療(抗ガン剤)が受けられない患者を救うため、外科医である著者はギリギリの努力を重ねている。臨場感溢れる文面の行間から、患者の「生きたい」という希望とそれを誠実に叶えようとする著者の思…
大豆、インゲン、エンドウ豆、落花生にモヤシなど、我々は豆類をたくさん食べている。豆類が人類の食生活にいかに寄与してきたか、アジア各国における著者の実体験を中心に、豊富な事例をもって紹介している。馴染みのない豆類も多数取り上げられているので…
霊長類を長年研究してきた著者が、少子化・引きこもりなど今日の日本における諸問題について考察した一冊。集団生活から社会性を学び、社会生活が知能の発達をもたらすという生物進化の方向は正しかったはずなのに、いびつな形でそれが進行していることによ…
ライブレポートを書くのに役立つかと思い、中身をよく見ずに読み始めたら…速記の勧めだった。失敗。
2005年5月の福知山線事故。一義的な原因は曲線に高速で突入したことであるが、被害を大きくしたのは車体構造(特に台車まわり)に問題があったからだと指摘している。また、旧型ATSでも地上子を設置して適切な速度制限をしていれば事故は防げたとし、JR各社…
色にまつわる四方山話を集めた一冊。同じ色であっても民族により、文字どおり色々な印象をもっている……そんな至極当たり前の「ふーん」と思う蘊蓄話の集合体だった。
昭和零年、すなわち1925年に生まれた文化人・知識人・政治家ら30人に尋ねた戦中戦後から現在に至る社会の移り変わり。いずれの証言からも戦争体験からくる平和に対する強い希求が感じられる。翻って今日の状況を見ると、憲法(9条)改変の声はますます強く…
わかりやすく伝えるためにアナロジーの手法を活用すべし、とする著者による実践的な説明術の解説本。本書でも(当然のことながら)アナロジーを多用しており、自ら手本となるような内容となっている。アナロジーの限界・弊害についても論及しているのは行き…
長年国語教師を務めた著者による、日本語にまつわるあれこれを集めた随筆集。正しい言葉・美しい言葉を使うという視点で全編が貫かれており、その論調には頷けるところが多かった。とはいえ、本書中(P.116)「首相続投か」という言い回しが目障りとの指摘に…
ブラジル・アマゾン川流域で長年にわたり各種調査研究を行った著者が、その思い出と共に自然環境の破壊と再生への営みを綴っている。環境破壊が進む一方で、地球に負荷をかけない持続可能な手法による開発への取り組みも進んでいるという。 地球の裏側のこと…
戦国末期から江戸時代に活躍した剣豪たちの足跡を辿り、その時代背景と共に、もののふの心の移り変わりを鮮やかに描き出している。武士として人生を全うした男たちの潔さに憧れと懐かしさを感じたのは、我ながら不思議な感覚だった。
荒れる成人式など苛々した精神状態の反映と思われる事象が多発する原因について、著者は「期待の分散」「不安定化している集団形成」「キャラ的人間関係」「自己肯定欲望」など、いろいろな角度からの分析を行っている。この類の本を読むとワタクシは大抵「…
珊瑚礁に住む魚類は性転換が容易にできる。いかなる事情でそのような性質を身につけたのか、またどのような事をきっかけに起こるのか、性転換研究の歴史をも踏まえつつ解説した一冊。調査現場の様子も紹介されており、より立体的な内容となっている。余談な…