石田佐久馬「ことばのみちくさ」東洋館出版社(2005年) ISBN:4491021104

 長年国語教師を務めた著者による、日本語にまつわるあれこれを集めた随筆集。正しい言葉・美しい言葉を使うという視点で全編が貫かれており、その論調には頷けるところが多かった。とはいえ、本書中(P.116)「首相続投か」という言い回しが目障りとの指摘には意外さを感じた。野球用語の転用が「首相」というものの格に相応しくないらしい。
 言葉は移ろいゆく。それは否定しようがないが、できることなら聴く者に不快の念を起こさせない言葉遣いをしたいものである。