桐山桂一「昭和零年」講談社現代新書(2005年) ISBN:4061497995

 昭和零年、すなわち1925年に生まれた文化人・知識人・政治家ら30人に尋ねた戦中戦後から現在に至る社会の移り変わり。いずれの証言からも戦争体験からくる平和に対する強い希求が感じられる。翻って今日の状況を見ると、憲法(9条)改変の声はますます強くなるばかりである。過ちを繰り返さないためにも、これらの人々の貴重な証言に耳を傾けるばかりでなく、具体的な行動を起こすべき時期になってきているように思う。発言者は80歳。本書刊行後、鬼籍に入る人も出てきている。残された時間は少ないのだ。