広瀬弘忠「無防備な日本人」ちくま新書(2006年) ISBN:4480062831

 テロ、自然災害、新型流行病…等々、多種多様な危険に取り囲まれている私たち。著者は多数の事例から日本人のリスク意識や対応能力を検証し、リスクを如何に知り、どのように対処すべきかを提案している。「リスクとうまくつき合うためにはリスクに対する恐怖や不安を持たなければならない」「それらに圧倒されてはならない」(本書P97)という指摘には誰もが頷くところだろう。
 ワタクシの世代はまだ「ニッポン=安全」という神話の中で育ってきた。しかし悲しいかな時代は変わってしまったのだ。戸締まり用心火の用心。