養老孟司「無思想の発見」ちくま新書(2005年) ISBN:4480062807

 概念世界と感覚世界、思想と現実、その両者のつながりが言葉である。日本の歴史と風土によって産み出された「無思想」という思想があることを前提に、身近な個人の問題から国家間の歴史認識のズレまでを如何に考えていくべきかを思索し、それらは般若心経の「色即是空」「空即是色」に集約されると看破している。
 「私」という変わらないものがあるのか、という著者の問いにワタクシは未だ結論を持つことができずにいる。どうなんでしょうねぇ。