岩井保「旬の魚はなぜうまい」岩波新書(2002年) ISBN:4004308054

 日本人の食生活に馴染みのある魚類を題材に、体組織・回遊の仕組み・口と消化器の構造・生殖等、身体的特徴から生態まで広汎な知識をわかりやすく解説している。食卓に上る魚たちの意外な生態に驚かされると共に、「旬」を見極めてちょうど食べ頃に捕獲して栄養源としてきた先人たちの努力と観察眼にも感心させられる。折々に盛り込まれた短歌や俳句などが季節感を豊かにしてくれる。
 「旬の魚」といえば、ここ数年のワタクシは『寒ブリ』にありつく機会に恵まれている。今年ももうすぐそんな季節がやってくる……。