遠藤秀紀「人体 失敗の進化史」光文社新書(2006年) ISBN:433403358X

 動物5億年の進化の過程は「設計変更」の連続であった……ヒトと動物の身体の歴史をたどり、骨格や臓器、感覚器、手足、脳などがどのように進化を遂げてきたかを述べている。適者生存とは言うが、結果的に当初の役割が損なわれて全く別の機能を持つようになったヒトの身体の各部分。「偶然が偶然を呼ぶような場当たり的な進化を遂げて、それまでの動物たちとは明らかに異なる身体の部位をもった」(本書 p.215)というまとめに集約されている。