中山隆志「日本海・軍事緊張」中公新書ラクレ(2002年) ISBN:4121500601

 日本周辺の軍事的緊張を軸に、自衛隊装備の現状と有事への対応、増強の経緯と今後の戦略について説いている。著者は元陸上自衛隊員で防衛大学の教授も務めた人で、現状に対する「制服組」の危機感と苛立ちが伝わってくる。随所に「普通の国」たるべし、という趣旨の表現が出てくるが、平和憲法の理念だけは守って行かなくてはならないと思う。これこそが先の大戦で大きな代償を払って得た教訓なのだから。