鈴木淳一,小林武夫「耳科学」中公新書(2001年) ISBN:4121015983

 最新の耳科学の成果に基づいて、難聴の種類と原因、予防策や対応を解説している。難聴は外部からは見えない障害であること、そしてその苦痛は健常者には理解されないこと、また、聴覚により言語を獲得するということを著者に指摘されるまで、私はそうした事実にすら気づいていなかった。何となく視覚障害の方が大変と思っていたが、物事はそんな単純ではないのだ。
 最新の補聴器はかなり進歩しているようで、将来お世話になる(かもしれない)身にとっては心強い限りである。