中西隆紀「幻の東京赤煉瓦駅」平凡社新書(2006年) ISBN:4582853374

 東京駅・新橋駅・万世橋駅の赤煉瓦駅舎や高架橋にまつわる挿話をいくつも集め、明治大正期の鉄道発展期に於ける首都東京の鉄道事情とそこに関わった人々の思いや営みを立体的に描いている。
 影も形もなくなった(旧)新橋駅。万世橋駅交通博物館としての役割をも終えて静かに佇んでいる。そして東京駅は戦災復興時に改変された現況から建設当時の壮麗な姿へと復元されるとのこと。運命はそれぞれだが、駅は今も昔も変わらぬ物語を秘めているのだ。