岩田規久男「『小さな政府』を問いなおす」ちくま新書(2006年) ISBN:448006320X

 サッチャー首相下でのイギリスの「小さな政府」政策や高福祉国家スウェーデンの施策を検証するとともに、日本に於ける財政改革と「小泉改革」の歩みを統括的にまとめた本。我が国では結果の平等を期する余り、機会の平等が損なわれてきたとの指摘はもっともだと思う。不況対策であるとして赤字国債による公共事業をばらまくケインズ的政策は限界を通り過ぎており、経済を活性化して行くには『小さな政府』しかないと思わざるを得ない。時、既に遅しの感はあるが…。