満足死/奥野修司

満足死  寝たきりゼロの思想 (講談社現代新書)

満足死 寝たきりゼロの思想 (講談社現代新書)

 自分が満足して最期を迎えるという「満足死」。他者の視点である尊厳死と異なり、死に際してまず自分が満足し、その結果として周囲も満足すればなおよしとするこの概念を提唱してきた疋田善平医師の取組を、高知県(旧)佐賀町拳ノ川地区での綿密な取材により明らかにしている。「満足な生活の延長線上に満足な死がある」という疋田医師は「全村病院構想」と「広域総合病院構想」により「寝たきりゼロ」をめざし、僻地医療の新たな展望を開くと共に、終末医療のあり方にも一石を投じている。
 死ぬ直前まで元気で、ぽっくりと逝く。理想、です。