他人を見下す若者たち/速水敏彦

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

他人を見下す若者たち (講談社現代新書)

自分自身の成し遂げた成果に基づかず、他者を軽視することにより得られる仮想的優越感でもって自己肯定を成そうとする人が増えている。その反動で無気力・鬱にもなりやすくなっている。著者は心理学の調査と分析を元に、そんな現実を冷静に読み解いている。

仮想的優越感と「自己中」がもたらす外界との軋轢は、社会そのものの居心地を大変悪くする。他者評価を気にしすぎるのも問題ではあるが、現実に根ざした自尊心を高めつつ規律規範を重視し協調性を尊ぶ心を育てていくことが大切なのだろう。

――では具体的にどうすればよいのか、というのはまた別問題ではあるのだが…。