精神科ER 鍵のない診察室/備瀬哲弘

精神科ER 鍵のない診察室 (集英社文庫)

精神科ER 鍵のない診察室 (集英社文庫)

救急医の役職を離れ、街中で開業医として精神医療に携わる著者。前著の続編である。

事実に沿った描写が多数盛り込まれ、臨場感・切迫感にあふれている。そして患者の気持ちに寄り添い、心の病と向き合おうとする著者の強さと優しさも読者に安心感を与えてくれる。
精神疾患に対する偏見が未だ根強く残る日本社会にあって、啓蒙につながるこの類の書物がもっと幅広く読まれ支持されることを願わずにはいられない。