高谷好一「多文明世界の構図」中公新書(1997年) ISBN:4121013395

 「世界観を共有するところ」としての『世界単位』という概念を用い、ポスト・モダンにおける地球世界のあり方、進むべき方向性を提示している。地域研究を長く続けてきた著者ならではの地誌的分析が解りやすい。今西進化論を引き合いに出しつつ、「自然の動き、生態の論理に従っていこう」と唱える部分には大いに共感できた。
 進化論がこうした人文科学にも大きな影響を与えていたということ、恥ずかしながら知りませんでした。