吉村昭「史実を歩く」文春新書(1998年) ISBN:4166600036

 戦史小説・歴史小説の作者が史料から何を読み取り、事件現場で何を感じたか。小説の虚構と事実とをいかに融合し文学たらしめていくか。そんな小説作法を巡る随筆で、著者の歴史と向き合う誠実な人柄も偲ばれる内容となっている。
 あまり小説を読まないワタクシだが、機会を捉えて吉村氏の作品を読んでみたくなった。