中村靖彦「狂牛病」岩波新書(2001年) ISBN:4004307597

 イギリスにおける狂牛病の発症と「発見」、そして日本での発症までを追ったドキュメント。本書刊行後、アメリカ合衆国での発症の確認、日本国内での感染の拡大、さらにはBSE由来の変異型ヤコブ病の発生と、事態はより深刻な方向に進んでいる。潜伏期間の長さが対応をより困難ならしめているといった基礎的知識すら持っていなかった自分の不明さを嘆かわしく思う。
 病因は諸説あるが、やはり「共食い」にあるのだろう。これこそ天罰なのかもしれない。