伊東孝「日本の近代化遺産」岩波新書(2000年) ISBN:4004306957

 日本各地に残る土木遺産・産業遺産の現状を訪ね、保存と活用の意義を訴える。古寺仏閣などと異なり、近代建築・機構は不要になれば撤去・解体されるのが日本の常。こうした発想を改め、地域の活性化にも役立てていこうとする理念はよく分かる。ただ、維持管理をどうしていくかは大きな問題だろう。
 社会科の教科書で学ぶよりも、こうした現実の素材を元に学習する方が関心も高まるだろう。技術に対する畏敬の念も育てられるのではないだろうか。