菊池哲郎「常識の壁」中公新書ラクレ(2004年) ISBN:4121501187

 毎日新聞論説委員である著者が昨今の日本を覆う閉塞感−主に政治経済の分野において−について、「常識」が足かせとなっていると指摘している。そしてその「常識」を捨ててみることにより、人の心も活性化するという。とはいえ、そう簡単に捨てられないのが「常識」の常識たるゆえんなのであるが。
 憲法を押しつけられたものとして「改正すべし」と声高に叫ぶのなら日米構造協議での押しつけも否定すべし(意訳)という主張は的を射たものだと思う。