馳澤憲二「働きながら『がん』を治そう」集英社新書(2005年) ISBN:4087203093

 身体にメスを入れずガンを治すという放射線治療とは如何なるものか。現役医師である著者がその理論と実際をわかりやすく解説してくれている。普通の日常生活を続けながら通院して一日数分の照射で済み、しかも極めて高い制御率という実績があるのなら、この治療法がもっともっと身近なものになってほしいものだ。しかし、現実には専門の医師の数が圧倒的に少なく、また他科目医師の理解が十分でないために、放射線治療の環境は整っていないのだという。
 化学療法、そして放射線治療。ガンといえば外科手術が当たり前だと思っていたが、今はいろいろな選択肢があるのだ。患者の側も学ぶべきことがたくさんある。