日垣隆「世間のウソ」新潮社新書(2005年) ISBN:4106100991

 著者のいう「ウソ」とは「常識」と置き換えることもできるだろう。宝くじや児童虐待裁判員など巷で流布する情報・知識が如何に虚偽に満ちているか、具体的な根拠を挙げながら痛烈に批判する。政府は勿論マスコミに対しても鋭い筆鋒で迫る姿勢は痛快ですらある。全てに賛同することはできないが、世の中を見る新たな視点を与えてくれたことは間違いない。著者の主張への反論を考えながら読み進むのもまた一興だろう。