安部龍太郎「戦国の山城をゆく」集英社新書(2004年) ISBN:4087202372

 中部〜近畿を中心にした山城を巡る旅。それは信長・秀吉による全国支配の過程の一部であった。著者の取材は各城を実際に訪れて攻防戦の真っ直中に身を置き、それにより城の存在を見つめ直すという手法をとっている。結果、単なる紀行や解説文に留まることなく、城を巡る伝記あるいは人間観察の書ともなっている。本書により、読者も著者の旅を追体験できるのだ。