黒川伊保子「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」新潮新書(2004年) ISBN:4106100789

 言葉に対する印象を作り上げる音感に焦点をあてた本。「ことばの音を見、聞き、発しながら、私たちは、Sに爽やかさを感じ、Tに確かさを感じ、Hで開放され、Nで慰撫され、Kで鼓舞される」(同書P170)などとまとめられると「なるほどそうかなぁ」とも感じるが、これは事例の収集が巧みなのかもしれない。ましてや「日本人は語学の天才」などと半ば誉め殺しのようなぷちナショナリズム的発想にはついていけません。