鬼頭宏「環境先進国江戸」PHP新書(2002年) ISBN:4569621473

 環境経済史の視点から、江戸時代の自然環境と経済活動、人口動態の関わりなどについて述べている。鎖国政策の下、国内での自給自足生活を発達させ、約四千万人もの人口を支えてきた当時の社会経済制度には様々な矛盾やひずみもあっただろうが、エネルギーの殆どと食料の多くを外国からの輸入に頼る今日と比較すれば「環境」には優しかったに違いない。本書では指摘に留まっているが、消費万能の我々が江戸の暮らしから学べることもいろいろあるはずだ。