柴田三千雄「フランス史10講」岩波新書(2006年) ISBN:4004310164

 フランスの地域国家の成立から今日に至るまでの政治体制の変遷を10章にわたって概説した本。フランス政治というと脊髄反応のように「革命」という印象がとても強いが、それは一時の激情によって引き起こされるものではなく、多くの必然の積み重ねからもたらされるものだということがよくわかる。
 他国の歴史から何を学び取るか。フランスの場合には「自ら考え行動する」民衆の存在が大きいと思う。また、英米とは一線を画す外交思想の源泉も国民の自律性にあるようだ。翻って我が国の「ワイドショー政治」と揶揄される現状は…。