『大人』がいない…/清水義範

「大人」がいない… (ちくま新書)

「大人」がいない… (ちくま新書)

 近頃の日本には「大人」がいなくなった。自分中心主義・他者への配慮と想像力の欠如から携帯電話に可愛い?ストラップをぶら下げる等々、日々実感することばかり。著者はこれを経済的に豊かになったが故の「幼形成熟ネオテニー)」ではないかとしている。そうした本論の内容ばかりでなく、文体模倣の名手である著者は短編小説やら疑似対談やら様々な手法を駆使して読者を愉しませてくれている。