差別とハンセン病/畑谷史代

差別とハンセン病 「柊の垣根」は今も (平凡社新書)

差別とハンセン病 「柊の垣根」は今も (平凡社新書)

 戦後早い時期に特効薬ができ完治する病気になったにもかかわらず、1996年4月に「らい予防法」が廃止されるまで、ハンセン病患者は社会から隔離され、その存在は一般国民の目に触れないところに隠蔽され続けてきた。信濃毎日新聞社の記者である著者が元患者や親族らに綿密な取材を行い、彼らの苦難に満ちた人生と今なお続く差別の実態を冷静な筆致で明らかにしている。
 『無関心』というのも立派な差別意識の一形態なのだと思い知らされた。