わかったようでわからない日本語/夏木広介

 普段何気なく使っている日本語。しかし言葉の意味を厳密に考えてみると、理屈に合わないことがある。また、表記法についても様々な誤用が見られる。著者は入手容易な国語辞典・表記辞典をひもとき、その説明の曖昧さや相互の矛盾を指摘する。そしてあるべき用法、表記、語句説明の姿を論理的に追究し提案している。「辞書は規範足るべし」という至極当然のことが実現されていなかったということに目から鱗が落ちる思いがし、刺激を受けた。
 とはいえ、膨大な語句すべてを矛盾なく説明することは極めて困難であろうことも想像に難くない……などという我が駄文にも、多数の問題点が含まれていることだろうなぁ。