逆説思考/森下伸也

逆説思考  自分の「頭」をどう疑うか (光文社新書)

逆説思考 自分の「頭」をどう疑うか (光文社新書)

 世間で信じられている常識とは一面的なものであり、常識の逆にこそ真理があったりする――そんな柔軟な発想法である『逆説思考』。ことわざや漱石とその門下生達の言動などから実例を紹介し、また予言が成就してしまう仕組みを解明するなど、逆説思考の理論と実践を読者に語りかけている。この思考法によれば、人類の進化は身体的劣勢を補うために知性と言語を獲得した「失敗は成功のもと」を地でいくような例証であるそうだ。また著者は、自らが創造した文明が発展を遂げたあまり、その進展速度に早晩ついていけなくなり、やがて人類も滅亡していくだろうという予測も立てている。
 ものの見方・考え方として逆説思考はとても楽しいものであった。……って、まぁまぁ「ウソも方便」と古からいうではございませぬか(笑)。