環境問題の杞憂/藤倉良

環境問題の杞憂 (新潮新書)

環境問題の杞憂 (新潮新書)

「環境問題」は今日最優先で取り組むべき課題の一つとして捉えられているが、世間一般の理解は必ずしも正しいものではない。マスコミの情報提供の仕方などにより、何となく信じさせられていることも多いのだ。著者は環境ホルモン、フロン、ダイオキシン地球温暖化とCO2など様々な事例を挙げてそう指摘する。科学的に因果関係が明確でなくとも一旦作られた印象はなかなか変更されず、また規制の代償となる費用(利益の喪失)も十分に検討されたのか否かが不確かだ。何となく「環境によい」と感じただけで無条件で受容してしまうのではなく、冷静に情報を収集し検討してみよ、という指摘は尤もだと思う。逆説思考の良い勉強にもなりました。