核爆発災害/高田純

核爆発災害―そのとき何が起こるのか (中公新書)

核爆発災害―そのとき何が起こるのか (中公新書)

 広島、ビキニ環礁セミパラチンスク等の核爆発現場における詳細な調査を元に、核爆発の原理を解説し、それが起こった際の被害や後遺症を被曝線量により分類、有事の際の防護対策などを具体的に述べている。高層ビルの外壁では遮蔽性能が低いこと、その地下階も構造によっては瓦解の懸念があること、気密性を高めることが重要であることなど、とても参考になる。東京でのシミュレーションが最終章にあるが、実際にはどうなのだろう。かの国の技術がどれほどのものなのか。また、地下鉄の活用は現実的に不可能であろう。有事が起こらないことを願うばかりか。