中流の復興/小田実

中流の復興 (生活人新書)

中流の復興 (生活人新書)

 経済の停滞から格差社会へ。世の中には相変わらず閉塞感が充満している。そんな時代において、平和を、外交を、教育を、政治を、経済を、如何に考え実践していくかを提案した本である。著者はかつて「べ平連」など数々の市民運動を先導してきた識者であり、今日の市民意識の持ちようについてかなりの危機感を抱いているのがわかる。「日本国憲法」を軸に考察を進めていく様は今なお輝きを失っていない。非同盟という選択肢を今一度考えるところから始めてみたい。

 なお、小田実さんは今年7月に亡くなられたとのこと。ご冥福をお祈りします。