2007年1月、米アップル社が発表した『
iPhone』。それは携帯電話と
iPodの融合などという単純なものではなく、すべての情報の出入り口として真の
ユビキタス社会をもたらしうる能力を秘め、そして新たなビジネスモデルを構築する可能性を持っているものなのだという。日常生活の様々な場面で『
iPhone』的なモノが活躍することを著者は想定している。今までのケータイのマンマシン
インターフェイスの貧弱さと処理能力の脆弱さ、パソコンの可搬性の問題を『
iPhone』は融合的に解決し、今まで双方がなし得なかった役割を果たす。著者の分析はそうしたハードウェア的側面ばかりでなく、「
Web2.0」の実相と潜在する新たなサービスという角度からも行われており、なるほど『
iPhone』の指向するものがよく見えてくる。日本では『
iPhone』としてではなくあくまでも『
iPod』として販売が開始されたが、今後の進展に期待してみたい。
しかし、未だに撮影機能のついていないケータイ、音楽を持ち運ぶならMDというワタクシはもはや時代に取り残されつつあるのでしょうか……。