マンガ入門/しりあがり寿

マンガ入門 (講談社現代新書)

マンガ入門 (講談社現代新書)

 現役漫画家による「マンガ入門」。マンガの文化・社会的位置づけ、作画の技法やネタ作りについて紹介した後、著者のデビューからの経緯をふまえ、漫画家としての心構え・精神論までを自伝的に述べている。著者の絵は「ヘタウマ」とされているが、その実かなり計算されたもののようだ。社会を批判的な視点から見つめるマンガを描く際にはそれがほどよい緩衝材になるし、ギャグならば変幻自在さが面白みを増す。会社員との二足のわらじを器用にこなしてきたように、その絵にも巧妙な何かが隠されているようだ。