「退化」の進化学/犬塚則久

「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス)

「退化」の進化学―ヒトにのこる進化の足跡 (ブルーバックス)

 原核生物から連綿と進化を続けて出来上がったヒト。「進化」とは即ち使わなくなった器官を「退化」させることでもある。ヒトの身体のあちこちに残る痕跡器官・退化器官について、進化の過程に合わせて解剖学的見地から解説している本。実際に自分の身体を見本として確かめることができるものもいくつもあり、本書の説明はとてもわかりやすい。今もなお退化し続けている器官もあり、未来のヒト、もしくはその後継生物を想像する読者もいるだろう。
 親知らずが4本出て、耳を動かせるワタクシは、どうやら旧人類の成分が濃いようです。