漬け物大全/小泉武夫

 書名のとおり古今東西の漬け物にまつわる話題について著者の見聞を中心に幅広く集めた本である。一口に漬け物といっても野菜ばかりでなく魚や肉類も漬けられるし、漬け床もぬかみそに酒粕、酢など多種多様である。塩辛もピクルスも梅干しもなるほど漬け物であった。外国のものはキムチなどごく一部を除いて想像のつかないものが多いが、日本のものについてはワタクシも現地を訪れた際や百貨店の物産展などで口にしたことのあるものがいろいろとあり、読んでいるだけで食欲わくこと多々であった(特に石川県の蕪鮓は絶品です)。ただ熟鮓(なれずし)や「くさや」の臭いは今もって受け入れられない。
 それにしてもこれほど漬け物を愛してやまない著者、高血圧になりはしないか(余計なお世話でしょうが)