金正日と日本の知識人/川人博

金正日と日本の知識人―アジアに正義ある平和を (講談社現代新書)

金正日と日本の知識人―アジアに正義ある平和を (講談社現代新書)

 拉致被害者の救出活動に携わる著者による、東アジアに平和と正義をもたらすための総括である。誌上論争という形で(在)日本の知識人の論調に欠ける視座を指摘すると共に、政府や政党、ジャーナリズム、そして知識人の責任と役割を明確化し、「外交交渉か軍事攻撃か」という二者択一に陥ることなく解決していくための論点を提示している。
 国家による犯罪という許されざる行為に対し、国民一人ひとりがもっと考えなくてはいけない。そんな当たり前の結論しか思いつかない自分の不甲斐なさと、だからといって何ができるわけでもないもどかしさをどうすればよいのだろうか。