自動車保険は出ないのがフツー/加茂隆康

自動車保険金は出ないのがフツー (幻冬舎新書)

自動車保険金は出ないのがフツー (幻冬舎新書)

交通事故訴訟に数多く関わってきた弁護士による、損保の出し渋り告発本。被害者の無知につけ込んで支給額を抑えようとする事例は氷山の一角に過ぎないのだろう。加入する側としては負担する保険料が安い方を選びたくなるものだが、「何故安いのか?」と考えてみれば矛盾点に気がつくだろう。保険会社は営利企業でありつつも、高い公益性を求められているのに…。

誰もが被害者にもなり得る。その時に十分な補償をしてくれない保険会社が相手だったとしたら――そう思ったら、安さだけで保険を選んではいけないと思う。そして、いざという時には『出るところへ出る』(交通事故紛争処理センター、日弁連交通事故相談センター)覚悟も必要なのだ。もちろん、ごね得を狙う不心得者や不誠実な弁護士をも駆逐する必要があるのだが。