「心の傷」は言ったもん勝ち/中嶋聡

「心の傷」は言ったもん勝ち (新潮新書 270)

「心の傷」は言ったもん勝ち (新潮新書 270)

精神科の臨床医である著者は、心の病・セクハラ・医療訴訟等の例をひき、疾病利得または「被害者帝国主義」とでも言うしかない世間に蔓延する風潮を『安易に認めるべきではない』と警告する。

著者曰く「軽症ヒステリーの時代」であり、「被害者=善、加害者=悪」という単純な二分法的思想に基づく「俺様」がのさばるご時世となっては、おおらかでゆとりある共同体・人間関係を取り戻すことは最早不可能であろう。

本来は保護されるべき存在であるはずの「弱者」「被害者」がいつの間にか圧倒的な権力者として振る舞うようになってしまった現状は、確かに歪な社会であるように思える。うむむ。


最終章の「精神力を鍛える7ヶ条」は至言である。
ここに引用したいところだが、まぁ続きは本書を手にとってくださいませ。